屋久島旅行記その7 平内海中温泉


 

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2016.7.24(Sun.) 17:23 平内海中温泉
「干潮の2時間前後にしか入れない海中温泉」との事だったが、看板には「前後5時間位」と書いてある。干潮時の潮位は日によって異なるので、干潮時の潮位が最も高い時でも入れる時間を考慮し、一般向けに「2時間前後」としているのだと思われる。僕が入った時は、環境センターで教えてもらった干潮時刻から、3時間を過ぎたあたりから地元の人で賑わいだした。

「普段は海に沈んでいて、干潮時にしか入れない温泉」

「水着禁止で混浴」

これを最初に聞いた時は「干潟の海を全裸でトコトコ歩いて行くと温泉が湧いていてそこに入る!?」アドベンチャーなイメージがあり、行ってみたーい!と思った。

しかし、場所が屋久島だと分かった時点で、島についてほとんど知らなかった当時の僕は、「魅力的だけど、この温泉のためだけに行くことはないだろうな」と漠然と思っていた場所だ。

実際は、沿岸にある天然露天風呂だったので、僕のメルヘンより入浴のハードルがぐっと下がった。

温泉に到着したのが、17時22分。環境センターの情報が正しければ、入浴リミットである干潮から2時間を15分程過ぎた頃だ。駐車場(というより、空きスペース)から、階段を降り、駆け足で奥に進むと、念願の海中温泉が現れた!!

……全然水没してないやん。

僕の不安は他所に、子連れのお母さんと地元のおじさん(以降BOSSと表記)、チャイニーズ風の中年夫婦が入浴中で、優雅な時間が流れていた。

入り口で共用の桶をゲットし、「こんにちはー」と挨拶をして、汗に濡れた着衣を岩に干すようにして脱ぐ。

湯船の方を見るやいなや、チャイニーズ風の中年マダムが全裸で「フォォォォーーーー」とか「フゥーーーー」とか叫びながら入浴を満喫している。旦那は体を洗いながら、奥さんに「おまえおとなしくしてろよ」的なことを言ってたしなめている様子だったが、マダムは聞く耳をもたなかった。

きっと、彼女の中では欧州のヌーディストビーチに来ているのと同じ気分なんだろう。何故かサングラスだけはかけていて、「女性は顔が命」という言葉を身を持って実感。眼の焦点に気をつけた笑顔で、マダムとの距離感を適正に保ちながら、体を流そうと奥の湯船に行った所、BOSSに声をかけられた。

「兄ちゃん体洗った?」

「いや、まだです」

「こっちで、よく体洗ってから入んなきゃだめだよ!」

「あ、す、すいません」

どうやら、体を流す専用の湯だまりの場所があり、そこのお湯をすくって体を流さなければならないようだ。言い訳は無粋と判断し、素直にBOSSのレクチャーを受け、5回お湯を被り、体を洗ってから、タオルで前を隠し湯船に浸かった。

BOSSは話好きで、僕が来てから、何故か次々と訪れる子連れのお母さんとずぅーっと話をしていた。僕もおこぼれで、いろいろ教えてもらう。
まず、イマイチよくわからなかった「水着禁止」。逆に、タオルを巻いて湯船につかるのはオッケーというのは、自分の常識と逆なので、BOSSに訪ねてみた。

「なんで、水着だめなんですか?」

 

 

「だって、ここは地元の風呂だから」

 

「あんた、自分とこの風呂入るのに水着着て入るの嫌だろ?」

 

 

キュィィィィィーーーン!

脳のシナプスが結合し、全てを理解した。

つい、僕達は旅行で観光施設に行くと「お客様」気分でいるけど、ここは観光施設ではない。あくまで、地元の方のお風呂にお邪魔させて頂いているのだ。
だから、入浴料100円も「志」となっている。決して、対価を払って利用しているわけではないのだ。

「こんな事もわからなかったのか」と、自分を恥じたのでした……。

しかし、ここの風呂は最高だ。
湯船は全部で3つだが、実は、BOSSに教えてもらった第4の広大な風呂がある。
そう、目の前の海だ。温泉でほてった体を海にザッパーン!!
蟹が驚いて、海に逃げ込む。広大な浴槽と空を眺めながら、心と体を溶けこませていく……。

 

温泉の詳細

平内海中温泉
入浴時間目安:干潮前後2時間 料金:100円(志)
マナー:水着禁止。入浴前に体を洗い、恥部をタオル等で隠して入浴する事。(綺麗なタオルを湯船につけるのはO.K.)洗剤の使用は禁止してない様子だったが、個人的には配慮したい。

【観光客の入浴スタイル例】

普段裸で入っている地元の方々に配慮した格好に留めよう。

【掲示成分表示転載】
温泉の成分、禁忌症及び入浴又は飲用上の注意(その1)
1 源泉名 屋久島温泉
(1)源泉所在地 熊毛郡屋久島町平内湯之上7-2
(2)使用施設名及び所在地 平内海中温泉、熊毛郡屋久島町平内湯之上7-2
2 泉質 単純温泉(アルカリ性単純泉)(低張性、アルカリ性、高温泉)
3 泉温 源泉 46.5℃(気温24.1℃)
使用位置 46.5℃(気温24.1℃)
4 源泉の成分
(1)性状 ゆう出地 (無色透明、無味、弱硫化水素臭)
(2)水素イオン濃度(pH)ゆう出地 9.0
試験室 8.94
(3)ラドン含有量 2.60 (百億分の一キューリー単位)
(4)密度 0.9984 (20℃における)
(5)蒸発残留物 0.277g/kg(110℃)
(6)温泉の成分 (資料1kg中の成分、分量及び組成
)
ア 陽イオン
リチウムイオン     0.1mg 0.01mval      0.24mval%
ナトリウムイオン  88.2mg  3.84mval      90.57mval%
カリウムイオン     2.6mg 0.07mval      1.65mval%
アンモニウムイオン   0.4mg 0.02mval      0.47mval%
マグネシウムイオン   0.1mg 0.01mval      0.24mval%
カルシウムイオン    5.1mg 0.25mval      5.90mval%
アルミニウムイオン   0.4mg 0.04mval      0.94mval%
計            96.9mg 4.24mval 100.01mval%
イ 陰イオン
フッ化物イオン  0.9mg 0.05mval      1.08mval%
塩化物イオン  110.7mg 3.12mval    67.24mval%
臭化物イオン       0.3mg 0.00mval      0.00mval%
硫黄イオン          16.4mg 0.34mval      7.33mval%
炭酸水素イオン    25.1mg 0.41mval      8.84mval%
炭酸イオン          20.7mg 0.69mval   14.87mval%
硫化水素イオン  0.7mg 0.02mval      0.43mval%
水酸化物イオン  0.2mg 0.01mval      0.22mval%
計       175.0mg 4.64mval 100.01mval%
ウ 遊離成分
メタケイ酸 52.8mg
メタホウ酸   0.9mg
ガス成分を除く溶存物質総量 326mg
(溶存ガス成分)
成分総計 326mg
エ その他微量成分
総ヒ素 0.020mg/kg
銅イオン 0.05mg/kg 未満
鉛イオン 0.05mg/kg 未満
総水銀 0.5μg/kg 未満
カドミウム 0.05mg/kg 未満
温泉の分析年月日 平成21年11月19日
登録分析機関の名称及び登録番号 株式会社 東洋環境分析センター 鹿児島県第4号

温泉の成分、禁忌症及び入浴又は飲用上の注意(その2)
1 浴用の禁忌症
(1)一般的禁忌症
急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(とくに初期と末期)
(2)泉質別禁忌症
なし
(3)次の疾患については、原則として高温浴(42度以上)を禁忌とする。
ア 高度の動脈硬化症 イ 高血圧症 ウ 心臓病
2 飲用の禁忌症
飲用許可無し
3 療養泉の適応症
(1)一般的適応症(俗用)
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
(2)泉質別適応症(俗用)
なし
4 俗用上の注意
(1)温泉療養を始める場合は、最初の数日の入浴回数を1日当たり1回程度とすること。その後は1日当たり2回ないし3回までとすること。
(2)温泉療養のための必要期間は、おおむね2ないし3週間を適当とすること。
(3)温泉療養開始後おおむね3日ないし1週間後に湯あたり(湯さわり又は浴場反応)が現れることがある。「湯あたり」の間は、入浴回数を減じ又は入浴を中止し、湯あたり症状の回復を待つこと。
(4)以上のほか、入浴には次の諸点について注意すること。
ア 入浴時間は、入浴温度により異なるが、初めは3分ないし10分程度とし、慣れるに従って延長してもよい。
イ 入浴中は、運動浴の場合は別として一般には安静を守る。
ウ 入浴後は、体に付着した温泉成分を水で洗い流さない(湯ただれを起こしやすい人は逆に浴後真水で体を洗うか、温泉成分を拭き取るのがよい。)
エ 入浴後は湯冷めに注意して一定時間の安静を守る。
オ 熱い温泉に急に入るとめまい等を起こすことがあるので十分注意をする。
カ 食事の直前・直後の入浴は避けることが望ましい。
キ 飲酒をしての入浴は特に注意する。
禁忌症決定年月日 平成21年12月21日
決定者 鹿児島県屋久島保険所長

ここの温泉は海水のミネラルを多く含むので、皮膚病に効き、アトピーの子供が治療に訪れるのだとか。一番海に近い奥の湯船は、入るのに躊躇する程熱かったが、真ん中の湯船は丁度良い。何故かと言えば、BOSSが話しをしながら、ホースの水をずっと浴びつつ、湯船を水で薄めて加減を調整していたからだった。

BOSS曰く、
「屋久島の人間は子供の頃から熱い風呂に入ってるから、全然平気」

確かに、仕事終わりの地元のおじいさんが、一番熱い湯船に躊躇なくザッパーンと浸かり、皆「すごいですね~」と言ったら、「こんくらいじゃないと入った気がしねぇ」と言っていた。

ただ、僕がいる間、BOSSはその一番熱い湯船に浸かることは決してなかった……。

 

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DSCF0612湯ノ神

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DSCF0604写真で初めて気づいたが、近所のお店でワンピースの貸出をしている模様。入っている観光客女性も、タオルではなくワンピースを着ている人が多かった。(水着と変わらないのでは??)

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岩陰で体を拭いていて、ふと、後ろを振り返ると、若いカップルが眺めていて、帰ってしまった。。。いやー、後ろは意識してなかった。スイマセン……。

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