屋久島旅行記その3 洋上にそそり立つ「巨岩」


 


2016.7.24(Sun.) 13:58 屋久島 
宮之浦港
僕は長野市出身なので、山に囲まれた風景には慣れているつもりだったが、ここの山は近く高い。しかも、すぐ目の前が海。モウモウとした雲が山々を覆い、神を隠している。

 

鹿児島本港から高速船トッピーで屋久島の宮之浦港まで55分。高速船の受付でツアーチケットを見せると、乗船の20分前くらいだっただろうか?

それまでに「これ持ってまた来てください」と券を渡され、2時間ほどドルフィンポートで桜島を堪能したあと、再び窓口に行って席をとる。

オススメの席を聞いたら「2階の右側です」と教えてくれたので、それでお願いする。乗ってみたら、最前列で隣の人もおらず、足が伸ばせてリラックスできてよかった。

肝心の乗り心地は、腰ベルトが窮屈だが、揺れも少く、酔い止めは必要なかったかもしれない。

桜島側の大隅半島と鹿児島市側の薩摩半島に挟まれた鹿児島湾(錦江湾)を進み、九州本土最南端の開聞岳を過ぎれば、鹿児島湾を抜けた証拠。

鹿児島の竹島を通過し、硫黄岳を探していると、もう少しで屋久島だ。

移動中、どこらへんを進んでいるのか? 地理知識0の僕でも、Googleマップがあるから助かる。スマホはオフラインでも、GPSの電波は拾うので、簡易ナビになるのだ。

ちなみに、富士山の位置もこれで確認した事は秘密です。

 

屋久島の起源

「島」というと、火山が噴火して、噴火物が堆積してできるイメージがないだろうか?

小笠原に誕生した西之島は、まさにそれで、島が形成されていく映像を目にした方も多いだろう。しかし、屋久島はそうして出来た島とは異なり、その正体は、海底から押し上がってきた花崗岩の塊なのである。

[屋久島ができるまで]

1,550万年前、沈み込む海底プレートの摩擦熱で溶けたマグマが上昇。
 ↓
マグマは4,000万年前に形成された四万十層群に貫入し、噴火せずに固まる。
 ↓
100〜50万年前、周りの付加体(堆積岩や変成岩)を巻き込みながら隆起。
 ↓
長い年月をかけて侵食と風化を繰り返し、切り立った山と深い谷が磨かれ、1,000m級の山々が40以上も連なった「洋上のアルプス」となる。

 

(図解)
yakushima
引用:屋久島の地質 – 京都大学アフリカ地域研究資料センター

何故、ミネラルの乏しい花崗岩の塊に、世界遺産となる豊かな森が形成されたのか?

私的には、7,300年前に起こった鬼界カルデラの大噴火の影響が大きいのではないかと思う。

鬼界カルデラの大噴火は「幸屋火砕流」を引き起こし、屋久島の地層にはその堆積物が至る所に存在している。

この火砕流は、雲仙普賢岳の数十万倍の規模で、(屋久島や隣の種子島含む)九州南部の先進的な縄文文化を壊滅させたと言われているが、皮肉にも、この火砕流の豊富なミネラルおかげで、貧弱な屋久島の土壌に、新たな生命の萌芽をもたらしたのではないだろうか。

しかしながら、実際、現地に行ってみると、火砕流や土壌に関係なく、カチカチの花崗岩から直接生えている様な植物も、多数見受けられた。

その秘密は、是非、現地で目撃して欲しい。

参照:日本火山学会/屋久島野外総合活動センター/屋久島ガイド協会/屋久島の地質 – 京都大学アフリカ地域研究資料センター/地質ニュース 2008年7月号 No.647 「観光地質学」からみた,世界遺産・屋久島 – 20万分の1地質図幅「屋久島」の刊行

 

気候のデパート

屋久島の平地部は、黒潮の影響により、年間を通して寒暖差が少ない温和な気候となっているので、夏は涼しく、冬は暖かい。

また、屋久島は「月に35日雨が降る」と言われるほど、雨が多いが、島の西側は気象庁の観測所がある東側と比べ、年降水量が1,700mm近く少なく、山地の年降水量は8,000mmから10,000mmにも達する。

参考までに東京と屋久島の年平均気温と降水量を掲出しておこう。

(統計期間:1981~2010年)
屋久島 年平均気温:19.4 ℃ 年降水量:4,477.2 mm
東京 年平均気温:15.4 ℃ 年降水量:1,528.8 mm

 

屋久島の平地部は温和な気候で、年平均19.4 ℃あるといっても、島には最大2,000mもの高低差があり、山へ登ると100mごとに気温が約0.6℃下がるとして、一番高い山頂部の年平均温度は7.4℃になる。

これは、丁度、九州から北海道までの気候が、一つの山に凝縮している事になり、実際、多様な植物が分布している。

参照:気象庁 過去の気象データ検索/屋久島野外総合活動センター/ウィキペディア

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2016.7.24(Sun.) 18:18 宮之浦岳 1,936m 九州最高峰(宮之浦岳は奥岳と言って人里からは見えないそうです。) 七五岳 1,488m
この時は、屋久島がどのようにして成り立っているのかとか、見えている山が何の山なのかも全く知らず、「雰囲気あるなー」と、なんとなく惹かれたものを撮っている

DSCF0618-22016.7.24(Sun.) 18:19 モッチョム岳 940m
ウィキペディアでは、「モッチョムとは女性の秘部を表す地域の言葉に由来し、日本一の陰陽山と呼ばれている」とあるが、諸説有り。本にする時に詳しく追記する予定。

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2016.7.24(Sun.) 16:56 大川の滝(おおこのたき)
「おおかわ」のたきと読んでました……

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2016.7.24(Sun.) 18:58 千尋の滝(せんぴろのたき)
当然「ちひろ」だと……

代表的な滝を訪れると、屋久島が岩の塊である事が良く分かる。
また、山に入ると無数の川と滝があり、その豊富な水量には驚かされるばかりだ。